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出品した商品は、茶人・悠々子(文如)・自筆「法華経(妙法蓮華経)」のうち、「序品」の自筆です。
自筆下部の印は「木村寿禎」(仙台藩医)の落款です。
「法華経」序品(じょほん)第一の内容の要旨は次の通りです。
王舎城近くの霊鷲山に仏陀がおられたとき、そこには舎利弗(しゃりほつ)や目連(もくれん)、須菩提(しゅぼだい)といった十大弟子や三迦葉(さんかしょう)などの最初の頃からの沢山のお弟子が集まっていた。仏陀の奥さんのヤショダラや、弟の難陀(なんだ)、国の王妃である韋提希(いだいけ)の子、阿闍世(あじゃせ)も参詣していた。また、観音菩薩や弥勒菩薩、文殊菩薩などのたくさんの菩薩、帝釈天などのたくさんの神々もいた。仏陀はそのとき、眉間(みけん)の白豪相から光明をはなたれて、天上界までの世界を照らし出された。
海外展示に際し、「Le Lotus de la Bon Loi・Soryu」〔和訳・法華経(妙法蓮華経)素龍〕
と表記されております。この表記は、フランス・アメリカなど欧米の大学
美術館等に展示のための「仕様基準」に準拠し表記されているものです。
坂本幸男・元立正大学学長は、その著「法華経」(岩波書店刊)冒頭で、「法華経は、
信仰の対象として強く深くあがめられ唱えられてきたが、同時に美しい比喩や巧み
な説話の数々が文学・芸術の世界にも豊かなものをもたらした」と記しております。
「法華経」の自筆が海外において額縁で展示されるのはこうした理由によるものです。
出品した商品は、江戸時代中期の茶人・悠々子(浄土真宗本願寺・僧侶・文如)自筆「法華経(妙法蓮華経)」です。
江戸時代中期の茶人・悠々子は浄土真宗の僧。
悠々子は、茶道をたしなむ際の雅号です。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)の僧で「能筆家」また「茶人」として有名です。
自筆は重厚勤厳な「真書体(経典体)」です。
「額縁入原本」
写真の印は「木村寿禎」の落款、
「自筆原本」
出品した自筆の「原文(漢文)」は次の通りです。
《妙法蓮華經。序品(じょほん)第一》
《孫》・・・・陀羅難陀。富楼那弥多羅尼子。須菩提。
阿難。羅羅。如衆知識大阿羅漢等。復有学無学二千人。
摩訶波闍波提比丘尼。与・・・・《眷属六千人倶。》
(文責・出品者)
出品した自筆の「原文の読み下し文」は次の通りです。
《妙法蓮華経 序品(じょほん)第一》
《孫(そん)》・・・・陀羅難陀(だらなんだ)・
富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし)・須菩提(しゅぼだい)・阿難(あなん)・
羅羅(らごら)という。かくの如き衆に知識せられたる大阿羅漢等なり。
復(また)無学の二千人あり。摩訶波闍(まかはじゃ)波提(はだい)
比丘尼(びくに)、・・・・《眷属(けんぞく)六千人と倶(とも)なり。》
(訳・出品者)
出品した自筆の「原文の現代語訳文」は次の通りです。
妙法蓮華経 序品(じょほん)第一
《孫(そん)》・・・・陀羅難陀〈だらなんだ〉・弥多羅尼〈みたらに〉の子の
富楼那〈ふるな〉・須菩提〈しゅぼだい〉・阿難〈あなん〉・羅羅〈らごら〉
という者たちでした。この比丘たちは、多くの人に知られている大阿羅漢でした。
また、学無学〈学は、まだ学ぶことが残っていること。
無学は、学ぶべきことが何も残っていないこと〉の者二千人もそこにいました。
摩訶波闍波提〈まかはじゃはだい〉比丘尼は、・・・・《眷属(けんぞく)六千人と共に》
現代語訳の出典・「法華経」(岩波文庫)
備考・現代語訳の注記
現代語訳は、「法華経」(岩波文庫)と「法華経」のサンスクリット語原典を参照しております。ただし、たとえば「弥勒菩薩」をサンスクリット原典は「マイトレーヤ」としているため、漢文訳をそのまま引用し「弥勒菩薩」と訳しております。また、意味がわかりやすいように漢文からの訳よりも数行分広く訳しております。
「出品商品に関する疎明資料(自署と落款)」
写真右端が「法華経」巻一の表紙
右から2番目が表紙の拡大写真。
上は悠々子(文如)の落款。その下の角印の竹に雀の絵は伊達家(仙台藩)の家紋
右から3番目の写真は「法華経」序品巻一の原本
写真左端は序品巻一の拡大写真。上は所蔵者の木村寿禎(仙台藩医)
下は「文如」と「悠々子」の落款
「額縁裏面の表記と茶室「億昔亭」がある国宝「飛雲閣」」
海外展示の際の表記は、フランス語による表記であるため、
額縁の裏面に下記の上段写真の「表示ラベル」を貼付いたします。
上段の写真は額縁裏面に貼付されるラベル。
中段の写真は悠々子(文如)が住職と務めた西本願寺
中段の写真は悠々子(文如)が作らせた茶室「億昔亭」がある国宝「飛雲閣」
国宝「法華経 序品(じょほん)第一」の東京国立博物館・所蔵の画像は次の通りです。自筆
画像の出典・国宝「法華経」法隆寺宝物・巻一冒頭(東京国立博物館所蔵)
重厚勤厳な隷書(楷書)の「法華経(妙法蓮華経)」を出品 商品説明 出品した「法華経(妙法連華経)」自筆切(断簡)は、 江戸時代中期の浄土真宗の僧。浄土真宗本願寺派第18世宗主・文如の自筆「法華経(妙法蓮華経)」の自筆切(断簡)です。「寿禎」の印は仙台藩医・木村寿禎です。原本の大きさ タテ27.1センチ ヨコ12.7センチ。額縁の大きさは、タテ32.7センチ ヨコ24.8センチ。額縁は新品です。
稀少価値 1・自筆の希少価値
出品した「法華経」は、茶人・悠々子の自筆です。悠々子は、江戸時代中期の浄土真宗の僧。浄土真宗本願寺派第18世宗主・文如の茶道をたしなむ際の雅号である。文如は薮内宗堅に直々に入門し、茶の湯を学び、薮内流の免許皆伝を認許されるまでになっている。現存する国宝飛雲閣には文如がつくらせた薮内流の茶室「憶昔亭」がある。浄土真宗では、浄土三部経である無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経の三部経を大事にしている。文如が三部経以外の法華経を書き残したのは、観無量寿経の冒頭部分で釈尊が説法しているのが法華経であることから資料として、あるいは茶人のたしなみとして法華経を書き写したのではないかという説があるが詳細な経緯は不明である。仙台藩では、浄土真宗の僧・文如の名前よりも、茶道・薮内流の「悠々子」として知られている。仙台藩は茶道が盛んで藩内に茶頭を置いていた。裏千家の故・千嘉代子氏は仙台出身である。
茶人・悠々子の自筆は、書かれた当初から茶道の世界では評価が高く、茶人の間で僧の墨蹟と同様の扱いで掛軸や屏風に仕立てられており、長い年月の間に風化が進み紙質も劣化していた。 それだけ、長い間茶道の世界で茶人の目を楽しませておりました。「江戸の大火」等による散逸・消失を免れた「法華経」の断簡はその後、繰り返し屏風立てになっている。さらに時代が下り、茶道の道具として活用された。 伊達家(仙台藩)の所蔵を経て「法華経」自筆の最終所有者は仙台藩医・木村寿禎です。
HP 出品者の家で代々所蔵している柏木素龍・自筆「法華経」の断簡(断片)のうち、海外貸出の終了した自筆を「海外展示
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